October 08, 2008
"安さ"こそが最大のサービス
「じゃあ、ヤマダ電機に行こう」
ちょっと前ですが、空気清浄機を買い足さなければならない時がありました。
私がとった行動は、近くの電気店ではなく真っ直ぐヤマダ電機に向かい、その場で購入すること。
最近の消費者の行動としては、電気製品などの大物家電を買う場合は、まずインターネットでどのメーカーのどの機種が良いのかを調べることに始まると言われます。
私も、最初はインターネットで色々調べてとも思ったのですが、アナログ人間のせいか、なんだかそれも面倒臭くなってしまったのです。
「ヤマダ電機に行けば、品揃えが豊富だし、そこそこ安いから、そこで決めちゃえばイイじゃん。」
そんなノリでヤマダ電機へと向かったのでした。
先日、テレビ東京のカンブリア宮殿を見ていたら、そのヤマダ電機の会長が出ていました。
ヤマダ電機と言えば、前橋に小さなお店をスタートさせてからわずか35年で売上高1兆7600億円となった業界最大手の家電量販店。
今でも都心への出店などその勢いが止まらないようです。
その会長が語った言葉が印象的でした。
「"安さ"こそが最大のサービスである」
ヤマダ電機は、まだ前橋で業務拡大を進めていた時にコジマ電気の攻勢を受け、安値ではなくアフターサービスなどの付加価値で対抗しようとしたそうです。
街の電気店のような巡回アフターサービスみたいなのもの。
でもこれが失敗に終わってしまった。
そこで、徹底的に安さを追求し、「他店が当店より安ければ値引きします」という有名な比較広告を打ち、成功したと言います。
やはり、安さこそが最大の武器であり成功の秘訣なのでしょうか。
常に付加価値がなければ生き残れないとあらゆる場面で主張してきた私には、モヤモヤが残る結論でした。
そんなモヤモヤの中で、先日あるスーパーにその答えを見い出しました。
それは、食品スーパーのオーケー。
スーパーの場合も市場は安値の過当競争状態。
ダイエーや西友をはじめとする多くのスーパーが安値販売に取り組み、失敗してきました。
その中、食品スーパーのオーケーはEDLP(エブリ・デー・ロー・プライス=毎日が安売り日)を掲げて快進撃。他のスーパーが伸び悩む中、この5年間で売上を倍増させ、1680億円を達成したのです。
我が家の近くにもオーケーがありますが、その安さは他のスーパーに比べ群を抜いています。
それは、仕入れ先をトップブランドではなく2位以下の1社に絞り込み、破格の条件を引き出しているから。
しかし、単調な売り場になり、多様性を好む日本の消費者には受け入れられそうにありません。
成功の秘密はどこにあるのでしょうか。
それは、オーケーの「オネストカード」だと言われます。
「なぜ安い」「なぜおいしくない」という理由をきちんと説明することでお客さんに買う”ワケ”を与えているのです。
店頭にはこんな表示があります。
雨が数日続きますと、葉もの野菜等の品質が悪くなる時があります。
こんな時、私たちは次のような表示をつけて販売しています。
「雨続きで、通常販売している商品より品質が悪くなっています。お急ぎでなければ暫くお待ち下さい。」
フロリダ産のグレープフルーツは、果汁も多く美味しいのですが、カリフォルニア産は味が落ちます。
フロリダ産は7月頃で終りになり、しばらくはカリフォルニア産を販売することになります。
こんな時、私たちは
「ただいま販売しておりますグレープフルーツはカリフォルニア産です。フロリダ産に比べると、やや味覚がおちますことをご了承ください。」の表示をつけます。
私たちは、この表示のことを「オネストカード」と呼び、お客様に正しい情報をお伝えするように努力しています。
(日経MJ9/26記事より)
安さに付加価値をつける戦略。
参考になりますね。
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◆アイデアを生むヒント
周りと同じ競争になったら、競争の軸を少しずらす工夫が必要だ。
そこに付加価値をつけられることはないか、もう一度考えてみよう。
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◆編集後記
先週末、多摩美術大学で「アイディアとブランディング」について、ひとコマ話をさせていただく機会がありました。
京王線の橋本駅からバスで8分。
秋の澄み渡った青い空、自然に囲まれたキャンパスの中で、学生たちの目が輝いて見えました。
なんだか元気をもらった気がします。

