August 26, 2008
メッセージを語るのは生活者
「『ワッパー』て知ってます?」
今週も米国で展開された注目のキャンペーンを紹介したいと思います。
『ワッパー』とは、全米に展開するハンバーガーチェーンであるバーガーキングの看板商品です。
バーガーキングは、以前日本にも上陸していましたが撤退することになり、最近(再上陸したのかな)再び店舗を増やしつつあります。
ワッパーは、競合のハンバーガーとは異なり余分な脂を落とす直火焼が特徴。
個人的には大好きなハンバーガーです。
米国では長年にわたり多くのファンに愛されていますが、あまりに身近でいつでも食べられるハンバーガーであるために、逆にその存在が忘れられがちでした。
そこで、このワッパーが発売50周年を迎えるにあたり、バーガーキングは、どんなにワッパーが人々に愛されているのかを改めて証明することに決めました。
再びワッパーへの注目率を高め、競合であるマクドナルドときちんと差別化したいと考えた訳です。
テーマは
「ある日、ワッパーがお店のメニューから消えたらどうなるか」
そしてある日、米国にある地方都市のバーガーキングの店舗で、そのプロモーションは展開されました。
トレーニングを受けた俳優を店員として配置し、まずは普段通りに営業開始。
そしてある時、突然店長が「今後、ワッパーは永久に販売いたしません」と店内に向かってマイクで告げたのです。
カウンターの頭上にあるワッパーのメニューボードには大きな×印が付けられ、店内は騒然となります。
その後も事情を知らず次々と訪れるお客さんがカウンターでワッパーを注文する度に、店員は販売中止を告げることに。
この予想しない事態にお客さんはリアルに様々な反応を見せます。
目を見開いたまま声が出ずに後ずさりをする婦人
何度も聞き返す親子連れ
「オー・マイ・ガッド」と大声で叫ぶ若者
「冗談でしょ?」「ありえない!」とわめく女性
「もう、バーガーキングに来る理由なんかない」とつぶやく婦人
そして誰もがこう叫んだのです。
「オレはワッパーが欲しいんだ!」
「ワッパーが好きなのよ!」
愛すべきものがそこにないとヒトはどうなるのか。
それは、まるで麻薬の切れた幻覚症状のよう。
そして、誰もがワッパーに対する愛を語り始めます。
「世界で最高のハンバーガーだった」
「バーガーキングは、ワッパーの故郷だったのよ」
そして、プロモーションはさらにエスカレートします。
2日目、このお店はワッパーの代わりにウェンディーズやマクドナルドのハンバーガーをバーガーキングの袋に入れて渡したのです。
さすがにお客さんは怒ります。
「オレは、マクドナルドが嫌いなんだ」
「ウェンディーズなんか食べられるか」
この怒り狂うお客さんに対し、店員が「確かにこれは直火焼のワッパーじゃなくて鉄板焼のハンバーガーですね」とクールに返すのが可笑しい。
そして最後に、(日本ではあまり知られていませんが)バーガーキングのシンボルであるキングの着ぐるみが現れ、お客さんに本物のワッパーを渡すのです。
バーガーキングを、そしてワッパーを愛するあまり怒りに震えていたお客さんはここで全てを知り、バーガーキングの着ぐるみに抱きつくという結末。
よくあるドッキリカメラそのものと言えばそうかもしれません。
ただ、そこにはお客さんにワッパーからのメッセージをリアルに語らせると言う仕掛けとアイディアがあります。
この様子は隠しカメラで撮影され2タイプのテレビCMに編集。
ドライブスルーでのやり取りはラジオCMとして編集され、ワッパー50周年キャンペーンの一環として放映されます。
さらに、キャンペーンサイトであるwhopperfreakout.comにアクセスすると、8分のドキュメンタリーフィルムを見ることができる。
主演は勿論、お客さんたち。
このキャンペーンはテレビなどで取り上げられ、ネット上ではお客さんのパニック状態をからかうパロディ版がYouTubeなどに次々とアップされます。
このキャンペーンの結果、ワッパーの売上は29%も上昇。
さらに、IAG Research(テレビ番組、CM、プロダクトプレースメントなどの視聴質を調査する米国の会社)における調査史上、最も印象深いキャンペーンとして記録されることになるのです。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
伝えたいメッセージは、自ら語るのではなく第三者に語らせよう。
ヒトに語らせる仕掛けを考え抜くのだ。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
昔、マクドナルドに行くとメニューに『スマイル 0円』ってありましたよね。
最近見かけないけど、どうしちゃったんでしょう。
愛想が良くない店員が増えた気がするのもそのせいなのかな、なんて思っちゃう。
今日行った近所のカフェは良かったな。
帰ろうとすると、ご主人が雨が降っているのを見て、先に外に出て傘を開いて持たせてくれた。
自然なスマイル100%でした。
今週も米国で展開された注目のキャンペーンを紹介したいと思います。
『ワッパー』とは、全米に展開するハンバーガーチェーンであるバーガーキングの看板商品です。
バーガーキングは、以前日本にも上陸していましたが撤退することになり、最近(再上陸したのかな)再び店舗を増やしつつあります。
ワッパーは、競合のハンバーガーとは異なり余分な脂を落とす直火焼が特徴。
個人的には大好きなハンバーガーです。
米国では長年にわたり多くのファンに愛されていますが、あまりに身近でいつでも食べられるハンバーガーであるために、逆にその存在が忘れられがちでした。
そこで、このワッパーが発売50周年を迎えるにあたり、バーガーキングは、どんなにワッパーが人々に愛されているのかを改めて証明することに決めました。
再びワッパーへの注目率を高め、競合であるマクドナルドときちんと差別化したいと考えた訳です。
テーマは
「ある日、ワッパーがお店のメニューから消えたらどうなるか」
そしてある日、米国にある地方都市のバーガーキングの店舗で、そのプロモーションは展開されました。
トレーニングを受けた俳優を店員として配置し、まずは普段通りに営業開始。
そしてある時、突然店長が「今後、ワッパーは永久に販売いたしません」と店内に向かってマイクで告げたのです。
カウンターの頭上にあるワッパーのメニューボードには大きな×印が付けられ、店内は騒然となります。
その後も事情を知らず次々と訪れるお客さんがカウンターでワッパーを注文する度に、店員は販売中止を告げることに。
この予想しない事態にお客さんはリアルに様々な反応を見せます。目を見開いたまま声が出ずに後ずさりをする婦人
何度も聞き返す親子連れ
「オー・マイ・ガッド」と大声で叫ぶ若者
「冗談でしょ?」「ありえない!」とわめく女性
「もう、バーガーキングに来る理由なんかない」とつぶやく婦人
そして誰もがこう叫んだのです。
「オレはワッパーが欲しいんだ!」
「ワッパーが好きなのよ!」
愛すべきものがそこにないとヒトはどうなるのか。
それは、まるで麻薬の切れた幻覚症状のよう。
そして、誰もがワッパーに対する愛を語り始めます。
「世界で最高のハンバーガーだった」
「バーガーキングは、ワッパーの故郷だったのよ」
そして、プロモーションはさらにエスカレートします。
2日目、このお店はワッパーの代わりにウェンディーズやマクドナルドのハンバーガーをバーガーキングの袋に入れて渡したのです。
さすがにお客さんは怒ります。
「オレは、マクドナルドが嫌いなんだ」
「ウェンディーズなんか食べられるか」
この怒り狂うお客さんに対し、店員が「確かにこれは直火焼のワッパーじゃなくて鉄板焼のハンバーガーですね」とクールに返すのが可笑しい。
そして最後に、(日本ではあまり知られていませんが)バーガーキングのシンボルであるキングの着ぐるみが現れ、お客さんに本物のワッパーを渡すのです。
バーガーキングを、そしてワッパーを愛するあまり怒りに震えていたお客さんはここで全てを知り、バーガーキングの着ぐるみに抱きつくという結末。
よくあるドッキリカメラそのものと言えばそうかもしれません。
ただ、そこにはお客さんにワッパーからのメッセージをリアルに語らせると言う仕掛けとアイディアがあります。
この様子は隠しカメラで撮影され2タイプのテレビCMに編集。
ドライブスルーでのやり取りはラジオCMとして編集され、ワッパー50周年キャンペーンの一環として放映されます。
さらに、キャンペーンサイトであるwhopperfreakout.comにアクセスすると、8分のドキュメンタリーフィルムを見ることができる。
主演は勿論、お客さんたち。
このキャンペーンはテレビなどで取り上げられ、ネット上ではお客さんのパニック状態をからかうパロディ版がYouTubeなどに次々とアップされます。
このキャンペーンの結果、ワッパーの売上は29%も上昇。
さらに、IAG Research(テレビ番組、CM、プロダクトプレースメントなどの視聴質を調査する米国の会社)における調査史上、最も印象深いキャンペーンとして記録されることになるのです。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
伝えたいメッセージは、自ら語るのではなく第三者に語らせよう。
ヒトに語らせる仕掛けを考え抜くのだ。
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◆編集後記
昔、マクドナルドに行くとメニューに『スマイル 0円』ってありましたよね。
最近見かけないけど、どうしちゃったんでしょう。
愛想が良くない店員が増えた気がするのもそのせいなのかな、なんて思っちゃう。
今日行った近所のカフェは良かったな。
帰ろうとすると、ご主人が雨が降っているのを見て、先に外に出て傘を開いて持たせてくれた。
自然なスマイル100%でした。
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コメント一覧
1. Posted by
オーティアット
September 14, 2008 06:31
僕も以前アメリカに留学しており、バーガーキングにはお世話になっていました。
日本進出で喜んでいたのですが、一度撤退しビデオの人たちと同じように落胆したのを覚えています(すっごく気持ちがわかります)
もちろん再上陸の話を聞いた時は東京出張の際、空港から西新宿の店舗に直行し、バーガーを食べましたがあの時の感動は忘れられません。
僕にとっては第2の故郷の味です。ちなみにチキンサンドイッチもおすすめですよ。
当たり前のあるものを失ってみて初めてそのものの大切さがわかる…いま必要な感情だと思います。
ボブさんのブログはいつも発想のヒントがあり、かつ面白い!これからもブログ拝見するのを楽しみにしています。

