July 16, 2008

大なり小なり


「これも、ひとつ買っておこうかな」

少し前の話ですが、東京駅の地下街に「GranSta(グランスタ)」が誕生しました。
そこには個性的な47のショップがありますが、嬉しいのはお弁当が充実していること。
駅の売店で手に入らない温かいお弁当や出来たてのサンドイッチを買えるのがウリです。
そんな「GranSta(グランスタ)」で、新幹線に飛び乗る前に何か食べ物を調達しようと訪れました。

美味しそうなお弁当がズラッと並ぶ中、まい泉の前で足が止まります。
まい泉と言えば、箸で切れるトンカツで有名ですが、気になったのは小さなバーガー。
『ミニヒレカツバーガー』と書いてあります。
一個210円らしい。
よく見ると、隣には『ミニメンチカツバーガー』もある。
マクドナルドのハンバーガーの半分くらいのサイズで、直径5〜6cm。
何だか可愛いし、おやつサイズ、もうひと品サイズという大きさが、ついで買いを誘います。

ニューヨークでもミートパッキングディストリクトの『Pop Burger』というバーガーショップでミニバーガーを出して、新し物好きのNew Yorkerに大うけしているようですが、アイディアは一緒。
当たり前のサイズを極端に小さくすることで付加価値を付けてしまった訳です。

かに棒寿司さらに奥のお店を覗くと、今度は巨大なカニの脚が見えました。
長細い木箱の中に納まっていたのは、かに棒寿司。
ひとつ1500円と決して安くはありませんが、かに好きにはたまらないボリュームですね。
隣には、穴子棒寿司も。

商品を大きくした!と言えば、マクドナルドのメガマックが有名です。
私にはとても食べれるサイズではありませんが人気商品となり、マックの定番メニューとして提供されています。
「ビッグ」どころではない「メガ」というネーミングが、若者の心をとらえたのかもしれません。

食べ物に限らず、商品を大きくする、或いは小さくすることで付加価値を付けるというアイディアは昔からありました。
SONYのウォークマンなどは、小さくしたことで大ヒットとなった商品で、その代表格とも言えるでしょう。

『声に出して読みたい日本語』の著者で知られる齋藤孝氏は、『アイデア革命』という著書の中で、y=f(x)という関数式を提唱しています。
"x"という既存の商品に「ずらす」「つなげる」という"f"を掛け合わせることによって、解"y"が求められるというのです。
ミニヒレカツバーガーの場合、カツサンドという既存商品"x"に、小さくするという「ずらし」とハンバーガーにするという「つなぎ」"f"を掛け合わせて、『ミニヒレカツバーガー』という解"y"を求めたと言えるでしょう。

大きくする/小さくするというだけでなく、固くする/柔らかくする、今までにない色にする、逆さまにする等など、"f"は色々と考えられそうです。


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◆アイデアを生むヒント

既存の当たり前に「ずらす」「つなげる」を掛け合わせてみよう。
その可能性は無限大だ。

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◆編集後記

1週間前に予約しないと買えない、銀座の老舗和菓子屋『空也もなか』。
空也もなか添加物、保存料は一切使っておらず、焦し皮に小豆のつぶし餡(自家製餡)一種類だけ。
お店に行かないと買えず、発送は一切やっていない。
予約をしてお店に行っても何故か混み合っています。

このお店のもなかには、長年の伝統と信用で培われた"f"でいっぱいですね。






bobtanaka at 22:00コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!

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Profile
ボブ田中
アイディア・クリエイター

■大手広告代理店勤務
■コミュニケーションの全ての領域にまたがるプランニングを担当
■2006カンヌ国際広告祭ダイレクト部門審査員
■2007アジア太平洋国際広告祭DM LOTUS部門審査員
■2009年より東北芸術工科大学教授に就任予定
■著書に「殿様ブランディング」日本実業出版社、「感動体験マーケティング」宣伝会議(共著)
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