June 30, 2008
カンヌは今年もアツかった
「ウ〜ン、カンヌはやっぱりアツい!」
2008年のカンヌ国際広告祭が終わりました。
勿論『暑い!』だけじゃなくて、広告界最高峰のお祭りとして、今年も『熱い!』がいっぱいのカンヌだったと思います。
カンヌと言うと映画祭が直ぐ思い浮かぶのではないかと思いますが、広告祭はその映画祭の直後に開催される広告のお祭り。
過去一年間の様々な広告、キャンペーンなどが世界中からエントリーされ、カンヌに集まってきます。
それを審査するのは、これまた世界中で活躍するクリエイターたち。
この審査員たちがカンヌに集い、エントリー作品を見て、一週間近い議論の末にその年の最優秀作となるグランプリとゴールド、シルバーなどの賞を決めるのです。
日本からも、毎年数名が広告代理店を中心に人選され派遣されます。
カンヌには、その領域によって10の部門が設けられています。
TVCMを扱う『フィルム』、ポスターや雑誌広告などを扱う『プレス』、インターネット広告を扱う『サイバー』等など。
私はここ数年、その10部門の中でも特に『ダイレクト』部門をウォッチしてきました。
ダイレクト部門とは、ダイレクトマーケティングの広告代理店からのエントリーが多い部門。
ダイレクトメールなどにはシンプルなアイディアが多いため、広告に馴染みのない方でも、アイディアを知る上では比較的分かりやすい部門ではないかと思います。
今日は、今年の受賞作の中から2つばかりご紹介をしてみたいと思います。
まずは、ゴールドライオンを2つ受賞したタイからのエントリー作品。
タイトルは『TORTURE TEST(拷問テスト)』
洗濯洗剤の純白になるという機能を消費者に知らしめるダイレクトメールです。
タイでは日本と同様、スーパーにもでも様々な洗濯洗剤が棚に並び、消費者も「白さにそんなに違いがあるの?」という疑問を持っていました。
そこで、タイの主婦をターゲットに、送ったギフトボックスが優れものだった。
ギフトと言っても、それは箱の中に入っているのではなく、箱を包装しているTシャツがギフト。配送途中で汚れたTシャツを箱の中に入っている洗剤で洗えば、新品同様に真っ白になるという仕掛けです。
ターゲットにいくら「この洗剤を使えば白くなりますよ」と言ったって、実際に試してみようなんて思う人はいませんよね。
このギフトは、ちょっとしたユーモアを交えたギフトを送ることで、洗濯洗剤を直接使ってもらう機会を与えることに成功したのです。
そしてこの小粋なデモンストレーションは、誰かに教えたくなっちゃう。
当然、口コミとなって商品の認知率も上がった。
さらに、スーパーなどでの店頭ストアサンプリングとは異なり、ターゲットを絞り込んでアプローチすることが可能。
費用対効果の面で、より高い効果を得ることが出来た訳です。
こちらはシルバーライオンを獲得したベルギーからのエントリー作品。
レストランのオーナーに向けて、キッチンペーパーの丈夫さを証明することを可能にした販促用のダイレクトメールです。
アイディアは、DMをキッチンペーパーで作ってしまったこと。封筒もなく、正にキッチンペーパーそのもので作られたそのダイレクトメールはベルギー中のオーナーに郵送されました。
郵送という過酷なテストをキッチンペーパーに課した訳です。
もらったオーナーは、ふにゃふにゃのダイレクトメールを受け取れば当然「何だろう?」と思って開封します。
そして「なるほど!」がその後に来る。
このダイレクトメールの成功の後、今度はよりインパクトを高めるために、ニューヨークと東京から同じオーナーに対してキッチンペーパー・ダイレクトメールを郵送して、更なる強さを証明したとのこと。
郵送先のオーナ全てに電話を掛けたそうですが、98%が無事にオリジナルのまま到着していることを確認したと言われます。
ダイレクトメールは、郵便制度が出来て以来、One to Oneでコミュニケーションを図ることのできる最も古いメディアです。
昨今インターネットが搭乗し、様々な新しいテクノロジーの開発に注目が集まっていますが、ダイレクトメールにだってまだまだ出来ることはある。
いや、直接手に取ることの出来る手紙だからこそ、webでは出来ない体験を消費者に与えることが出来るはずなんです。
消費者にとってダイレクトメールが『WoWな体験』になるのか、『ゴミ箱直行』なのかは、アイディア次第ではないでしょうか。
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◆アイデアを生むヒント
もうやり尽くしたと思って諦めるのも悪くはない。
でも、そこにアイディアが入り込む余地がないのか、あと一回でいいから考えてみよう。
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◆編集後記
先日、視察出張に同行していただいた添乗員の方から1枚の写真が手紙で送られてきました。
いつの間にか、同封のお手紙片手に、一人ひとりの表情までじっくり見入っていました。
メールで添付されたデジタルデータとは違う何かがそこにはある気がします。
あなたは、デジタルカメラで撮った写真データどうしてますか?
June 24, 2008
アイディアの前提
「ところ変われば、アイディアも変わるものだなぁ。」
北欧の3ヶ国に行きました。
フィンランド、スゥェーデン、デンマーク。
6月は数ヶ月しかない短い夏の真っ盛り。
芝生の上で貴重な日差しを逃すまいと日光浴する姿が多く見られました。
そんな夏もあっと言う間。
夏が終わると一気に長く寒い冬に突入し、夜の明けない暗い日々を送らなければなりません。
そんな国々で泊まったホテルも、日本とは少し異なるものでした。
ホテルの格が最も現れる洗面周りのアメニティグッズが殆どない。
唯一あるのは、液体石鹸のみなのです。
さすがは、環境先進国ということでしょうか。
無駄な資源を使わないように、ゲストにも同じ配慮を求めているのです。
タオルを一日だけでなく何回か使うようリクエストしているホテルは、海外だけでなく日本でも増えてきたが、北欧では当たり前のルール。
交換して欲しいなとバスタブの中に落としておいたバスタオルまで、そのままきれいに掛け直されている徹底ぶりでした。(泣)
シャワーを浴びた後、そのバスタオルを濡れた顔に当てるとホワッと暖かい。
小さい頃、干したばかりの布団に顔を埋めた時の懐かしい感覚を思い出しました。
(でも、なんで?)
そう思って、タオル掛けを触るとあったかい。
いや、熱いに近い感じ。
これならタオルも直ぐに乾くし、何度使っても気持ちいい。
(暖めるためにエネルギー資源を消費している気もしますが…。デンマークは風力発電だから、まぁいいか)
北欧では、単に格好を追い求めるのではなく、必要な機能を追及しシンプルにデザインしているプロダクトがとても多いように思います。
住宅街では、クルマのスピードが自然に落ちるように、道路がコブ状に盛り上がり、さらに蛇行させていました。
これじゃスピードの出しようが無いですね。
標識で規制するんじゃなくて、そうしなければならない仕組みを作っている訳です。
石畳の道路にある横断歩道は、ペンキじゃない。
一つひとつの石の色を変えることで横断歩道として識別できるようにしている。
街の景観に馴染んだ横断歩道なんて素敵じゃないですか。
こういうアイディアって、そもそも生活環境やベースとなる考え方が違うってコトなんでしょう。
国が異なるから、その違いが際立って見える。
国の文化の相違みたいなビッグスケールで考えなくても、都道府県、市町村、家族、個人という単位で、生活環境なんてそれぞれ違う訳です。
自分という殻の中で考えていてアイディアに行き詰ったら、「北欧だったらどうなる?」「○○さんだったらどう考える」というアプローチもあるかもしれません。
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◆アイデアを生むヒント
アイディアは、生活環境、時代背景や文化に根ざしたところから生まれるもの。
殻を破りたいのだったら、その前提を崩すところから始めてみよう。
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◆編集後記
炊飯器、お米、お酢、海苔、生姜、日本茶、みんな付いて299デンマーククローネ。
7500円くらい。
これだけで、まともなお寿司ができるとも思えませんが…。
June 17, 2008
選択肢の提供
「evianください。」
先日、海外に出張がありました。
海外へ行くことは心躍るものがありますが、飛行機の長旅はとても辛いもの。
そんな機内の楽しみのひとつが食事。
決して美味しいものではありませんが、長い時間の退屈から少しでも紛れることの出来る瞬間です。
搭乗して直ぐの機内食には、必ず選択肢があります。
誰もが当たり前のように思っていますが、「Beef or chicken?」などのように必ず聞かれますね。
そして飲み物。
コーヒーか紅茶、日本発の場合はグリーンティもある。
今回、面白いなと思ったのは、ペットボトル入りの水を持ったキャビンアテンダントが回って来た時。
「どちらの水になさいますか?」
飲み慣れたevianを頼みましたが、水まで聞かれたのは初めてでした。
考えてみると、機内サービスの殆どに選択肢がありますね。
新聞は、読売新聞か、朝日新聞か、日経新聞か、スポーツ新聞か。
モニターは、映画か、ゲームか、音楽か、機外カメラか、到着地案内か。
そもそもシートだって、ファーストクラスか、ビジネスクラスか、エコノミークラスに分かれています。
これって、その中身が重要なんじゃなくて、選択肢があることが重要なんじゃないかと思うんです。
人間誰しもひとつのことを押し付けられるのを嫌がります。
自分は自分の選択でこうしているんだと思いたいんです。
だから、evian or 富士山。
こんなこと言っちゃ怒られるかもしれませんが、機内でエコノミー症候群を防ぐ為に飲む水なんてなんだっていいんです。
いや、ホント。
そのどうでもいい水が2つあるのを見て、初めて選択があることの重要性に気が付いた訳です。
勿論、コストは多少上がるでしょうが、狭い機内に長い間閉じ込められる人たちのストレスを和らげているのは間違いありません。
その後、カラクリを発見。
シートの後ろに差し込まれた食事MENUの中面に、『富士山のバナジウム天然水』の広告がしっかりと載っていました。
お客さんの選択肢が広がって、航空会社には広告料も入る。
イイですね。
ひとつのことで質を高めようとするのも大切ですが、選択肢を増やすという考え方もありということです。
一番根っこのところで発想を変えることが、アイディアには大切なのかもしれません。
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◆アイデアを生むヒント
アイディアを評価するのは自分ではなく周りのヒトだ。
ターゲットとするヒトの置かれた状況、気持ちから発想を始めてみよう。
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◆編集後記
北欧3ヶ国を訪れました。
6月は高校の卒業シーズン。
高校を出た彼ら/彼女らは、親元を離れ自力で生計を立てながら大学や職業学校に通ったり、就職したりすると言います。
だから、高校の卒業には日本以上に大きな意味があるのでしょう。
しかし、トラックの荷台でお酒を浴びるほど飲みながら、奇声を上げ続けるその様は、楽しそうだったなぁ。
June 03, 2008
ホテルに付加価値
「これ、泊まってみたいなぁ」
素敵なホテルが好きです。
私にとって見逃せないホテルがニューヨークに出来ました。
あのハリウッドスター、ロバート・デ・ニーロ氏が共同経営する『ザ・グリニッジ・ホテル』です。マンハッタンのトライペッカという、今注目のエリアに誕生したそのホテルは、外壁を煉瓦でおおわれた重厚なたたずまい。
インテリアはウッドを基調にし、デ・ニーロ氏の亡父の絵画や家具などのアンティークが並べられ、落ち着いた雰囲気を醸し出しているとか。
88室という客室数は決して多くはありませんが、各部屋が異なるインテリアや調度品を置いているようで、何度も訪れる人にとってはそれも楽しみのひとつかも。
ハドソン川に面した窓から楽しめる真っ赤な夕焼けも、忘れられない思い出になることでしょう。
さらに、日本びいきのデ・ニーロ氏はやってくれました。
築250年の日本家屋を日本から運び込み、10人の職人まで日本から招いて再現。
そこをスパにしたのです。
日本の指圧までメニューにあるそのスパの名前が「シブイ(渋い)スパ」とは、やられた!という感じです。
話題のホテル。
日本にもありました。
かつて西洋人が避暑地として利用したのは日光金谷ホテル。
日光東照宮のほど近くにひっそりと佇むその姿は、長い時代を生き抜いてきた伝統を感じます。
ロビーには当時を偲ぶ写真が飾られ、そこに静かに座っているとタイムマシーンで昔に戻った気さえします。
そんな日光金谷ホテルの明治34年建築と伝えられる新館2階の一番奥に突如現れたのが、N35号室。放送作家の小山薫堂氏がアイデアを出し、大谷川沿いの庭園に面した角部屋を、とっておきの極上の空間に生まれ変わらせたのです。
伝統の空間の中に出現した上質な空間。
つまり、ホテル・イン・ホテルですね。
面白いのは、この部屋では新しいライフスタイル提案がさまざまな企業とのコラボレーションにより実現されているということ。
例えば、ベッド、シーツ、家具がイタリアの高級家具ブランドのアルフレックスだったり、バスジェルやボディローションがフェラガモだったり、テレビが日立Woooだったり。
さらに、日光駅まではレンジローバーで迎えに来てくれるのです。
N35ならではのサービスもいっぱい。
月光荘画材店のスケッチセットやMEADEの天体望遠鏡を無料で借りることが出来たり、N35号室限定のスペシャルメニューとして「フォアグラと日光湯波の豆乳スープ仕立て」( オプション)が楽しめたり。
そんな様々なサプライズは、多くのお客さんとメディアに支持され、日光のガイドブックには必ず紹介されています。
9月には、泊まるだけで元気になれるというコンセプトのもと、今度は「オレンジスイート」がオープンするとか。
先日、ハワイで泊まったザ・カハラというホテルは、おもてなしでサプライズを見せてくれました。
こちらから2回目の利用であることは全く伝えていなかったのですが、部屋に入ると「また、ご利用いただきましてありがとうございます」と書かれたカードが置かれているのを発見。
そして、日本人のコンシェルジェからも再訪問に対するお礼の電話があったのです。
2回目なんて、決して上顧客じゃありませんが、なんか特別な扱いを受けた気がして嬉しいじゃないですか。
ホテルは、機能的な部分ではなかなか差をつけ難い業種だと思います。
そこに、そのホテルならではのストーリーを付加し、そしてお客さんにいつもとは違った楽しみ、喜びの感情を呼び起こしてあげることが、大きな差別化となります。
お客さんはシャワーを浴びて、寝ることが出来る場所だけを求めているのではないんですね。
そこに泊まったお客さんにどんなストーリーを持って帰ってもらいたいか。
あなたは、どんなアイディアのあるホテルに泊まりたいですか?
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◆アイデアを生むヒント
競合となる商品、企業、人と同じ土俵で戦うのではなく、オリジナルの付加価値を付けよう。
手前勝手の付加価値ではなく、お客さんが見たい・知りたい・聞きたくなる付加価値を。
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◆編集後記
四川大地震への募金でテレビ朝日の「ドラえもん募金」に電話しました。
メッセージを聞くと100円が募金として課金されるという仕組み。
電話してたら息子に「なんで、ドラえもんなの?」と聞かれてちょっと戸惑ったのですが、私の中ではテレビ局の災害募金と言えば「ドラえもん募金」なんです。
カップラーメンといえば、日清カップヌードルみたいなもの。
集まる募金額も違うのかなぁ。
May 20, 2008
速く走りたい
「やっぱり、流行ってるんだ!」
先日、産経新聞で「早く走る」という機能に特化した小学生向けのシューズが大ブームになっているという記事を見ました。
運動靴メーカーのアキレスから発売されている『瞬足』というシューズです。
しばらく前のことですが、小学生2年生になる息子の一番の友達が、妻に自分が履いているシューズを見せながらこう言ったそうです。「見て!瞬足だよ。すっごく軽いんだから。持ってみてよ。」
自分のシューズを脱ぎながら妻に渡すのを黙ってじっと見ていたのは息子。
その息子が「瞬足が欲しい!」と言いだすのに多くの時間はかかりませんでした。
息子が参加しているボーイスカウトの仲間は、勿論、全員が瞬足。
「おっ、みんな瞬足だねぇ」と私が言うと、「もう、これ2足目だよ。みんな履いてる!」という答え。
流行っているのは間違いない。
そんな話を見聞きしていたため、この記事が目に止まったのかもしれません。
記事によると、このシューズは『オン・スクール』というコンセプトに基づき、徹底的に運動会などの学校行事でいかに速く走れるかを追及しているとのこと。
左回りのコーナーを早く駆け抜けるために、様々な工夫が施されている。
-靴底の左右『非』対称のソールデザイン
-シューズが足にピッタリくっついてくるような屈曲性
-蹴りだす力を補強するためにクロスされたバンド
-重さはなんと片足130g
まだまだある。
瞬足は平成15年に発売され、16年に70万足、17年にはTVCMを流すことで160万足、18年は300万足、19年は450万足を売り上げた。
市場規模1000万足と言われる中、驚異的なシェアを持つに至り、今は競合他社も追随して類似の商品を投入しています。
当初はスーパーでしか見られなかった瞬足ですが、今や有名百貨店に行っても購入することが出来ます。
成功した一番の理由は、小学生のインサイトである「運動会で速く走りたい!」という憧れを見事にとらえ、商品化したこと。
そう言えば、自分が小学生の頃、徒競争で早く走る子どもはクラスの人気者。
憧れでした。
クラス対抗のリレー選手に選ばれることは最高の名誉。
つまり瞬足は、そんな子どもたちの夢を実現させる魔法のシューズなんですね。
そして、このブームをつくり上げたのは、何といっても小学生同士の口コミ。
親では語れない憧れが、その口コミに込められて広がっていった訳です。
小学生のコミュニティは学校だけじゃない。
塾、スポーツクラブ、習い事などなど。
だから、瞬足の評判は急速に広がっていった。
そこにTVCMが投入されます。
ポイントは、小学生の中に確固たるブランドとして確立された後にマスメディアが投入されたこと。
ターゲットの中に出来上がった信頼性を事実として伝えることで、TVCMが効果的に機能したのです。
まずは商品というコンテンツ。
そこに、小学生の夢を叶えるアイディアがあった。
だから、評判になった。
マスメディアが効率的に評判を拡げる手伝いをした。
心の底にある夢をかなえるアイディア。
まだまだありそうです。
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◆アイデアを生むヒント
特定のコミュニティにある共通の叶えたい夢、憧れを形にしてあげよう。
夢は共感となって評判を呼ぶ。
評判は信頼性を高め、ブームをつくる。
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◆編集後記
海外から見ると、日本は非常識でいっぱいみたいです。
カナダ人の知り合いからこんなこと言われました。
「マクドナルドでテイクアウト頼むとね、ハンバーガーを紙袋に入れて、それを飲み物と一緒に大きな紙袋に入れて、さらにそれをビニール袋に入れてる。不思議だねぇ。」
自分にとっての当たり前も、他人にとっては非常識。
日本人の間でもいっぱいありそうです。
May 13, 2008
見える力
「ホ、ホントだ!」
先日、海外に出かけた帰りがけの飛行機の中で読んでいた『ビジネスマンのための「発見力」養成講座(小宮一慶著:ディスカヴァー携書)』という新書に、こんなことが書いてありました。
『成田空港にある荷物受取のターンテーブルでは、スーツケースの取っ手が必ず外側に向いて回ってくる』
日本ならではのお客様視点に立ったサービスとして、ターンテーブルから荷物を取りやすいように裏で人が調整しているらしいのです。
海外では絶対にそんなことはないでしょう。
取っ手の向きどころか、荷物同士が重なっていたり、落ちそうになっている荷物だってありますから。
(でも、取っ手をわざわざ外側に向けてるってホントかな)
成田空港に到着しターンテーブルでまさかと思って見てみると、ホントでした。
いや、ホントどころか、サプライズの結果。
全てのスーツケースは取っ手が外側を向き、しかも引っぱり出しやすいように立った状態。さらに、横のスーツケースとぶつからないよう一定の間隔を保って並んで回っていたのです。
これには驚きました。
こんなこと、本を読んでなかったら知りえない。
教えられなくちゃ絶対に見えてこない事実ですね。
やっぱり、日本人のお客様に対するホスピタリティは特別なんでしょうか。
そう言えば、私の英語の先生も、以前こんなことを言っていました。
「日本人のサービス精神は、世界でも類のない素晴らしいもの。だから私は日本が大好きなの」
「雨の日に百貨店で買い物をすると、紙袋にビニールのカバーをかけてくれる。そんな国どこにもないわ」
日本人のお客様に対する心づかい。
飛行機の中で本を読みながらそんなことを考えていた時、座席前にあったこんなサインが目に飛び込んできました。
『救命胴衣は緊急時以外取り出さないでください DO NOT REMOVE LIFE VEST EXCEPT IN EMERGENCY』
日本語と英語の併記。
同じことを伝えていますが、『○○○しないでください』と『DO NOT.....』とでは、伝える姿勢が全く違いますよね。
機内のトイレに行っても気になって仕方がありません。『タバコは捨てないでください NO CIGARETTE DISPOSAL』
『ご自由にお使いください AMENITIES』
日本語と英語の違いというより、日本と欧米の文化の違い、そしてお客様に対する姿勢の違いがこんなところにも表れているのです。
小宮氏はこう言っています。
『気にしていると、ものは見える。思い込みがあると、ものは見えない。まずは関心を持つことから始めよう』
確かに同じものを見ても、何かが見える人と見えない人がいます。
見えたとしても見えるものだって違うかもしれない。
全ては、そこに関心があるかどうかなのです。
見える力があるとないとでは、生まれてくるアイディアも違ってくる。
『アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ(J.W.ヤング)』と言われますが、人より多くのことが見えれば、その新しい組み合わせだって増える訳です。
あなたには、見えないものが見えていますか?
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◆アイデアを生むヒント
見ているつもりでも見えていないことがいっぱいある。
まずは、自分の常識を疑うこと。
見えさえすれば、人とは違う発想が生まれる。
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◆編集後記
長く留守をする時って、植木の水とか金魚の餌ってどうしてます?
先日、1週間程度の留守なら大丈夫という金魚の餌をついに発見。
これも、関心がないと見つからなかったのでしょうが、心配ごとがひとつ減って嬉しかったなぁ。
ただ、留守中どれだけ餌として残っていたのかは定かではありませんが…。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。
May 06, 2008
教えてあげる
「読み物としても面白い!」
無印良品と言えば、シンプルなデザインと手頃な価格で定評のショップですね。
そのデザイン性は海外のデザイナーも注目するほど。近くにオープンしたばかりの無印良品で買い物をした時に、小さなカタログ風の冊子を手渡されました。
その名も「無印良品の理由(わけ)」
表紙に「2008初夏 vol.01」とあるので、新しい試みなのでしょう。
表紙をめくるとこんなことが書いてありました。
「前略…この小冊子は、いわゆる商品カタログではありません。暮らしの中の小さな発見や言葉にならない感覚の声に耳を澄ませてつくった100/7500の製品の生まれた理由(わけ)を整理したものです。暮らしがあるから、無印良品があります。すべての商品に共通するものづくりの考え方を改めて、この小冊子を通じてお伝えしたいと思っています。」
例えば、「しるしのつけられる傘」
無印良品の傘は普通の傘とは違って、取っ手に穴が開いています。それは、似たような色、姿の傘は取り間違えられることが多い。
なんとか、自分だけの傘、ひとつだけの傘にできないかということで、好きな目印をぶら下げられるように穴をあけた訳です。
そんな優れたデザインの理由が一つひとつの商品について語られているのです。
さらに、利用者の声。
「プライバシー保護から持ち物に名前すら書けないので、印をつけることでわかると言うのは良いかな。」
「バッグインバッグ」は、ペンホルダーや小さなポケットが付いた、バッグの中に入れて使う整理用のバッグ。
仕切りのないバッグで直ぐに迷子になってしまう家の鍵も、これさえあればなくならない。
違うバッグを使いたい時は、取っ手を持って移し替えるだけ。
整理好きの私は、見ただけで欲しいと思ってしまいました。
「マチがないので財布の厚みが5センチの物を入れるとひどい事になりました。厚みのある化粧ポーチなども入れたいので、せめて3センチほどマチを付けてほしいです。」
という正直な感想ものってます。
無印良品は、消費者の声を聞いて改良を重ね、より良い商品にしていると言います。
それは、単なる思いつきのデザインではなく、そこには小さな知恵の集積があったということ。
そんなことまで実感できる小冊子になっているんですね。
「なるほど無印良品」は、そのインターネット版。
http://www.muji.net/mt/naruhodo/
消費者から投稿された「なるほど」の声でいっぱい。
良いことでも伝える努力をしなければ伝わりません。
商品、サービス、企業の良いことは、お客さんにとっては欲しい理由になります。
お客さんが、商品に付加価値を見い出すからですね。
自分たちの商品のどこが素晴らしいのか、そこにどうやってお客さんの声を反映しているのか、無印良品はしっかりと伝えています。
商品そのものにもアイディアがありますが、その伝え方もシンプルにデザインされているところがGOODです。
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◆アイデアを生むヒント
良いことは伝えよう。
ただ伝えようとしても誰も耳を傾けてくれない。
自分らしく伝えるには、どうしたら良いか、そこにアイディアを注ぎ込むのだ。
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◆編集後記
ユニクロで買い物をすると、アニメーションのキャラクターのみが一面に大きく描かれた紙袋が選べます。
うる星やつら、あしたのジョー、巨人の星、名探偵コナン。
UNIQLOの文字は、反対側を見ないと分からない。
息子の靴下は、名探偵コナンの袋に入ったのは言うまでもありません。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。
April 29, 2008
王者 vs 挑戦者
「何故か気になるんだよなぁ」
キリンビール vs アサヒスーパードライ、ドコモ vs au、六本木ヒルズ vs 東京ミッドタウンなど、競合環境にある企業、商品はいつも注目されます。
かつてのホンダ vs ヤマハのスクーター戦争などは、様々なメディアで取り上げられたものですね。
両者の異なる戦略、それがもたらす結果、そして何よりそこにはストーリーがあるからではないでしょうか。
今でも語り継がれる大ブランド戦争と言えば、『ペプシチャレンジ』。
1975年〜1983年に米国で展開されたキャンペーンですので、若い方には馴染みがないかもしれませんけど。
しかし、このキャンペーンによって、ほぼ半分であったペプシのシェアはコカ・コーラ(以下コーク)とほぼ同じレベルまで急迫したんですから、驚くべきキャンペーンです。
このキャンペーンのアイディアは、ダラスの小さな広告代理店がグループインタビューの際に行ったコーラ飲料の目隠しテストから産まれたと言います。
参加者目隠しをしてもらい数種類のコーラを飲ませると、70%の人がペプシを選んだのです。
驚いたのはテストをされた参加者。
まさか自分がペプシを選ぶとは思っていなかったんでしょうね。
その時、ひらめいた!
「これをキャンペーンにしちゃえばいいんだ」
これが、ペプシチャレンジの始まり。
黄色のベースに赤い文字で「Take the Pepsi Challenge!」と書かれたロゴが、キャンペーンの目印となります。最初はマスコミも疑った。
だって、当時ソフトドリンクの消費者のうち18%がコークしか飲まないと答え、ペプシしか飲まないという人は僅か4%という市場だったんですから。
最初は、米国の南西部にあるテキサス州ダラスだけで行われたエリア限定のキャンペーン。
ダラスで展開されている間は、インターネットもない当時、大きな話題になることもありませんでしたが、ロサンゼルスでキャンペーンがスタートするとコークが巨体を揺り動かします。
ペプシの主張が事実無根だと提訴したり、目隠しテストでペプシに付けたMとコークに付けたQというラベルが心理学的に答を誘因しているとか。
さらに、ペプシチャレンジを中傷するCMまでオンエアし始めます。
いわゆる”いちゃもん”をつけた訳です。
これがいけなかった。
コークは、今まで全く敵とも思っていなかったペプシを、同じ土俵に上げてしまったことになります。
仕掛ける側と応戦する側、徐々にシェアを詰める側とにじり寄られる側、この構図が面白くないはずがありません。
こうなると、マスコミの格好の餌食。
コーラ戦争に誰もが注目し、その行方を見守るようになります。
さらに、全米で消費者が自らペプシチャレンジにトライするようになる。
こうなると、ペプシ側も勢い付いちゃう。
黄色ベースに赤文字ロゴのペプシチャレンジTシャツを販売員が着たり、ペプシチャレンジ用ボトルハンガーをペタ付けしたり、ペプシチャレンジブースをあらゆる所に作ったり。
8年間に全米で2500万人がペプシチャレンジにトライしたと言われます。
その勢いは全世界に波及し、日本でも1980年代後半に、「くらべて決めよう。あなたのコーラ。」というキャッチでペプシチャレンジが展開されました。
全世界の消費者が自ら参加したキャンペーンなんて、他にあるでしょうか。
このコークにとっての大失敗は、後に新製品ニューコークの開発へとつながります。
ちょっと甘い、つまりペプシの味に近いコークを作り、そして失敗を重ねてしまう。
消費者は、コークというブランドに対する気持ちを踏みにじられたような気がしたんですね。
ペプシチャレンジのアイディアは、とてもシンプルなものです。
それが全世界を巻き込む大キャンペーンとなった理由は、ただひとつ。
王者 vs 挑戦者という構図により、誰もが知りたいトピックスになったということです。
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◆アイデアを生むヒント
アイディアは、誰もが知りたいコンテンツとなった時、勝手に広がり始める。
自分だけで頑張るのではなく、敢えてライバルとの対立構造をつくることで注目を集めることができる。
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◆編集後記
勝ちT当たりました。
KIRINのサッカー日本代表キャンペーンの賞品ですね。
着るかと言われれば着ないでしょうが、送られてくれば嬉しいかも。
そう言えば、かなり昔に同じKIRINのマリナーズキャンペーンで、自転車が当たった時があったっけ。
その時は、驚きましたね。
いや、別にキャンペーンマニアじゃないですよ。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。
April 24, 2008
アイディアは色々
「おっ、分かりやすいね」
ホテルや旅館に泊まると、小さなタオルと歯ブラシが用意されていることが多いですよね。
で、「さぁ、ひとっ風呂浴びるか」と大浴場に行って部屋に帰って一番最初にするのは、そうタオルを干すこと。
困ってしまうのは、その後、もう一度温泉に行こうなんて思った時に、どれが自分のタオルなんだか分からなくなっちゃう。
たとえ家族だったとしても、他の人が顔やカラダを拭いたタオルじゃなくて出来れば自分のタオルを使いたい、ですよね。
歯ブラシなんて尚更です。
磨き終わった後に、洗面所のどの辺に置いたかで大体覚えてませんか。
コップに逆さまに入れるとか、タオルの上に置いたりとか、もありかな。
いつも「不便だなぁ」と思っていたこんな些細なことに目を付けた旅館がありました。
部屋に入ると、浴衣と一緒に4つのビニール製の小袋。
男4人で同じ部屋に泊まることになっていたので、ひとつずつ手に取ろうとしてよくよく見ると、袋の色が違う。
赤、オレンジ、緑、青。
私は、緑色を選びました。中を見ると、タオルに印刷された文字と模様の色も緑色。
歯ブラシも緑色。
そう、これなら大浴場から戻ってまた行く時も、朝起きて歯を磨く時も、間違って他の人が使ったものを使うことはないんです。
「う〜ん、便利」
とっても些細なアイディア。
だけど、普段なんとなく不便だなぁと思うところに鋭く目を付けてますよね。
色と言えば、百式という世界中のアイディアを紹介するサイトに、こんなクリップが紹介されてました。
その名もTask Clip。やるべきアクションで色分けされたダブルクリップ。
「これ何の資料だっけ?」
なんて考えることなく次のステップに移れる。
閉じるだけの機能しかなかったツールにカラフルな色を足してあげることで、用途を拡げてあげた訳です。
しかも楽しげ。
何よりオフィスが明るくなっちゃう。
色は発想法にも使えます。
加藤昌治さんの著書『考具』で紹介されているカラーパスというシンキング・ツール。
これは、意識する色を1つ決めておくと、自然とその色に関連するアイテムが目に飛び込んでくるという手法で、自分の殻を破り強制的に発想の枠を拡げる手頃なツールです。
例えば、色を青と決めて街を歩くと、青色をした様々なものが目に飛び込んでくる訳です。
電気屋さんの看板にあるロゴ、工事中で覆っている養生シート、すれ違う女性の上着、小型自動車…
そして、見たものと今の課題とを組み合わせて発想していくんです。
朝、駅に向かう道すがら、まずはお試しください。
夜の繁華街でやると、看板しか目に入らないのが弱点ですかね。
人は、情報の9割を視覚から得ていると言われます。
だったら、そこで色が果たせる役割は、私たちが思っている以上に大きいのかもしれません。
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⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
身の回りにある色に注目してみる。
お決まりの色を他の色に変えたらどうなるか、その色がどんな効用をもたらしているのか。
組み合わせる要素をひとつ変えてみることで、全く異なる付加価値が生まれてくる。
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◆編集後記
髪形変えてみました。
学生時代から変えた覚えがないんです。
男でそういう人って多いんじゃないでしょうか。
まず、どう変えたらいいか分からない。
そして、変える勇気がない。
急に変化するとなんだか気恥ずかしい。
結構、変わったつもりでも周りの反応は殆どなし。
そう、そんなもんなんです。
自分が思っているほど、他人は人のことを気にしていない。
気分転換に結構いいかも。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。
April 18, 2008
アイディアとはこだわり
「こんなに変わるんだ!」
大好きな情熱大陸に、東京国立博物館の展示デザイナーである木下史青(きのした しせい)さんが出ていました。
木下さんは、日本で初めての博物館展示デザイナー。
「うん?展示デザイナー?」
初めて聞いた職業の名前。
皆さんは、知ってましたか?
それは、博物館で、照明や配置のような作品展示の総合プロデュースをしている人を指すそうです。
博物館には長い時代を生き抜いて来た様々な作品があります。
その作品は、ただガラスケースの中に置けばいいってもんじゃない。
同じ展示物でも照明や配置で見え方が全く変わってくるのだそうです。
そこで、展示デザイナーの出番。
お客さんに最高の状態で見てもらえるように演出する訳です。
番組では最初に、4つ脚の付いた小箱のようなものをどうやって展示しようかと思案する木下さんが映し出されます。
ガラスケースの中に小箱をそのまま置くと、上からの照明で表面の模様が浮かび上がります。
(きれいだな。)
正直、そのままでも十分魅力的に見えました。
少なくとも私には。
博物館マニアではないので、そんなに多くの博物館に行ったことがある訳ではないのですが、展示物はケースの中に仕込まれた蛍光灯等で平面的にボヤ〜ッと照らされているものという思い込みがありました。
しかし、木下さんは、違った。
「この4つの脚を含めて全体を見せてあげないと、この展示物の魅力が伝わらない」と感じていた訳です。
下からスポットライトが当てられると、小箱は次第にその姿を変え始めます。
木下さんが呟きます。
「ちょっとひらめきがあったかな」
さらに違う角度からスポットが当てられると、繊細なカーブを描いた脚に支えられた怪しくも鮮やかな姿が暗闇に浮かび上がるのです。
地味な小箱が、思わず足を止めて見入ってしまう芸術へと生まれ変わった瞬間のような気がしました。
さらに番組は、金色に輝く横長の屏風を取り上げます。
光量がなめらかに変わる光を屏風に当てて試行錯誤。
「楽しくなってきたじゃん」
そして、変わる光によって夜明け〜昼間〜夕暮れという景色を描き出すのです。
テレビに映し出されたその陽の移ろいは、その時代に生きた人の生活をも思い起こさせるもの。
「静」から「動」に。
平面に描かれた景色が、木下さんの手によって命が与えられたように思いました。
展示デザイナーの仕事とは、一つひとつの作品の美しさの本質を見抜き、その美しさをお客さんにどう見せれば最も魅力的か、アイディアを絞ること。
そして、そのアイディアを形にすることです。
作品を最高に美しい姿でお客さんに見せてあげたいという情熱がそこにはあります。
一方、「庭師衆284」は30〜40歳代前半の4人で結成されたユニット。
庭づくりの現場では地下足袋にはんてんを羽織っているそうですが、普段は流行りのファッションでロックを聴いたりしているそうです。
日本料理店の庭園などを手がけてきた彼らの代表作とも言えるのが、京都市東山区の複合商業施設「KYOUEN」の庭園。
モダンな和感覚の町屋で、高感度なカフェやレストラン、インテリアショップが中央にしつらえた庭園を囲むようにおしゃれに競演しています。
特にライトアップされた夜の眺めは幻想的。
ステンレスやガラス砂利など、今までの日本庭園では考えられなかった素材も使ったと言います。
全く新しい発想で、伝統的な日本庭園に命を与えたのです。
創造することは、対象とするものの本質を見極めることから始まるようです。
実は固定観念があるものほど、見方を変えることで新しい発想を産み出す元になれるのかもしれません。
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◆アイデアを生むヒント
アイディアを産み出すには、まず自分の思い込みからハミ出ることだ。
あとは、そこにどれだけ情熱を注ぎ込めるか。
今取り組んでいることに、伝統的なもの、昔からのルール・習慣、決まった使い方がないか見直してみよう。
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◆編集後記
『ヘボン式表示』って知ってますか?
パスポートに記入する時の英語表示の方法です。
この2月から、そのルールが一部変更になって、申請をすればヘボン式にしなくても構わないらしいのです。
つまり、ボブは、"BOBU"ではなくて"BOB"。
譲治(じょうじ)さんは、"JOJI"ではなく"George"という表記が可能な訳ですね。
米国で免許を取得した場合など、海外での正式な書類にも読みやすい表記が出来る訳です。
昔からヘボン式にはとても違和感があったので、国際化が進む中でのルール改正としては当然なのかも。
でも、本名と全く違う音読の表記にできるかどうかは分かりませんが。
(一郎を"Alex"と表記していいかどうかは???)
今日は、もうひとつ。
『月刊剣道時代』のブログパーツ、あまりに面白かったので貼り付けてみました。
あなたの弱気と対決してみてください。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。
大好きな情熱大陸に、東京国立博物館の展示デザイナーである木下史青(きのした しせい)さんが出ていました。
木下さんは、日本で初めての博物館展示デザイナー。
「うん?展示デザイナー?」
初めて聞いた職業の名前。
皆さんは、知ってましたか?
それは、博物館で、照明や配置のような作品展示の総合プロデュースをしている人を指すそうです。
博物館には長い時代を生き抜いて来た様々な作品があります。
その作品は、ただガラスケースの中に置けばいいってもんじゃない。
同じ展示物でも照明や配置で見え方が全く変わってくるのだそうです。
そこで、展示デザイナーの出番。
お客さんに最高の状態で見てもらえるように演出する訳です。
番組では最初に、4つ脚の付いた小箱のようなものをどうやって展示しようかと思案する木下さんが映し出されます。
ガラスケースの中に小箱をそのまま置くと、上からの照明で表面の模様が浮かび上がります。
(きれいだな。)
正直、そのままでも十分魅力的に見えました。
少なくとも私には。
博物館マニアではないので、そんなに多くの博物館に行ったことがある訳ではないのですが、展示物はケースの中に仕込まれた蛍光灯等で平面的にボヤ〜ッと照らされているものという思い込みがありました。
しかし、木下さんは、違った。
「この4つの脚を含めて全体を見せてあげないと、この展示物の魅力が伝わらない」と感じていた訳です。
下からスポットライトが当てられると、小箱は次第にその姿を変え始めます。
木下さんが呟きます。
「ちょっとひらめきがあったかな」
さらに違う角度からスポットが当てられると、繊細なカーブを描いた脚に支えられた怪しくも鮮やかな姿が暗闇に浮かび上がるのです。
地味な小箱が、思わず足を止めて見入ってしまう芸術へと生まれ変わった瞬間のような気がしました。
さらに番組は、金色に輝く横長の屏風を取り上げます。
光量がなめらかに変わる光を屏風に当てて試行錯誤。
「楽しくなってきたじゃん」
そして、変わる光によって夜明け〜昼間〜夕暮れという景色を描き出すのです。
テレビに映し出されたその陽の移ろいは、その時代に生きた人の生活をも思い起こさせるもの。
「静」から「動」に。
平面に描かれた景色が、木下さんの手によって命が与えられたように思いました。
展示デザイナーの仕事とは、一つひとつの作品の美しさの本質を見抜き、その美しさをお客さんにどう見せれば最も魅力的か、アイディアを絞ること。
そして、そのアイディアを形にすることです。
作品を最高に美しい姿でお客さんに見せてあげたいという情熱がそこにはあります。
一方、「庭師衆284」は30〜40歳代前半の4人で結成されたユニット。
庭づくりの現場では地下足袋にはんてんを羽織っているそうですが、普段は流行りのファッションでロックを聴いたりしているそうです。
日本料理店の庭園などを手がけてきた彼らの代表作とも言えるのが、京都市東山区の複合商業施設「KYOUEN」の庭園。モダンな和感覚の町屋で、高感度なカフェやレストラン、インテリアショップが中央にしつらえた庭園を囲むようにおしゃれに競演しています。
特にライトアップされた夜の眺めは幻想的。
ステンレスやガラス砂利など、今までの日本庭園では考えられなかった素材も使ったと言います。
全く新しい発想で、伝統的な日本庭園に命を与えたのです。
創造することは、対象とするものの本質を見極めることから始まるようです。
実は固定観念があるものほど、見方を変えることで新しい発想を産み出す元になれるのかもしれません。
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◆アイデアを生むヒント
アイディアを産み出すには、まず自分の思い込みからハミ出ることだ。
あとは、そこにどれだけ情熱を注ぎ込めるか。
今取り組んでいることに、伝統的なもの、昔からのルール・習慣、決まった使い方がないか見直してみよう。
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◆編集後記
『ヘボン式表示』って知ってますか?
パスポートに記入する時の英語表示の方法です。
この2月から、そのルールが一部変更になって、申請をすればヘボン式にしなくても構わないらしいのです。
つまり、ボブは、"BOBU"ではなくて"BOB"。
譲治(じょうじ)さんは、"JOJI"ではなく"George"という表記が可能な訳ですね。
米国で免許を取得した場合など、海外での正式な書類にも読みやすい表記が出来る訳です。
昔からヘボン式にはとても違和感があったので、国際化が進む中でのルール改正としては当然なのかも。
でも、本名と全く違う音読の表記にできるかどうかは分かりませんが。
(一郎を"Alex"と表記していいかどうかは???)
今日は、もうひとつ。
『月刊剣道時代』のブログパーツ、あまりに面白かったので貼り付けてみました。
あなたの弱気と対決してみてください。
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◆What's New!
2009年4月に、東北芸術工科大学デザイン工学部教授に就任(兼務)することになりました。

