June 23, 2009
おもてなしもアイデア
「4時にご予約の田中さまですね」
二子玉川の高島屋で、とても嬉しいおもてなしに出会いました。
今日は、おもてなしに込められたアイデアのご紹介です。
事の始まりは、妻の右足骨折に遡ります。
大手術の末に退院はしたものの、自分で歩けるようになるまでは暫くかかると言われ、自宅療養。
足以外は全然元気なのに、自由に外の空気すら吸うことも出来ず、久しぶりに気分転換の外出をしようということになりました。
行き先を考えていた時に、ふと思い浮かんだのが二子玉川高島屋の車椅子レンタル。
「それ、いいね」と、早速電話で予約をし、クルマで高島屋へ向かいました。
日曜ということもあってか、駐車場は大混雑。
列に並んでノロノロと徐行運転で駐車場の入口に進みます。
ちょっと心配になって、駐車場の入口で車の誘導をしていた女性に
「あの〜、車椅子の予約をしたんですが・・・」
と尋ねてみました。すると、
「はい、4時にご予約の田中様ですね。このまま真っ直ぐお進みください。あちらの係員に伝えておきます」
と答が返ってきたではないですか。
こちらの名前、さらに4時の予約ということまで、現場のスタッフにしっかりと伝わっているのです。
前のクルマに続いてさらに数十メートル、クルマを走らせると、今度は別の誘導スタッフがボクのクルマを止めて下の階へと案内してくれました。
沢山のクルマが列を作って走る中で、スタッフの方が止めたのはボクのクルマだけ。
ということは、入口の女性がトランシーバーでボクのクルマの車種と番号などを伝えてくれたということです。
これなら、不自由な身体を車外に出すために、車のドアをフルに開けても隣とぶつからないでしょう。
すかさず、スタッフの方が車椅子をクルマの横に付けてくれました。
いや〜、なんという手際の良さ。
飲食店での宴席や国際電話レンタルなど、よく予約の電話をしますが、当日受付に行っても待たされたり、下手をすると予約が入っていなかったりということもあり、あまりすっきりした対応を受けた記憶がありません。
しかし、ここでは全てがスムーズ。
この駐車場にはさらに、車寄せに付けたクルマの駐車を代行してくれるヴァレーパーキング、買物の間に洗車をしてくれるカーウォッシュ、その他にもモバイル駐車場情報やポーターサービスなど至れり尽くせり。
お客さんを気持ち良く受け入れようという姿勢が隅々まで感じられます。
どのお店も一定の基準があるのか、広い通路が確保されており、車椅子でも不自由なく移動することが出来ました。
たまたま入った飲食店でも、入口に段差があるなと思うと、裏口のスロープに案内してくれましたが、他のお店でも全て同様の対応がされていそうです。
こういうことって、当事者として体験しないとなかなか気が付かないものです。
車椅子を押してみて、初めて色々なことに気が付きました。
「都心も憧れる街、二子玉川」という不動産広告のコピーがありましたが、こういう細かいサービスの積み重ねが、二子玉川ブランドを作っているのかもしれません。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
サービスのベースもアイデア。
やるなら徹底しよう。
期待以上だからこそ、印象に残るのだ。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
先日、松戸で素敵なお店を見つけました。
太い明朝体でしっかりと書かれています。
ビストロ?
メニューを見ると、レモンスカッシュ、ナポリタン、サンドイッチ・・・。
こりゃ、どう見ても昔ながらの喫茶店。
フランス料理が出てくるとも思えません。
隣でメニューを見ていたお婆ちゃんが、楽しそうに2階へと吸い込まれて行きました。
不思議な魅力に自分も吸い込まれそうになりながら、逃げ帰り(?)ました。
でも、きっと微巣登路特製ナポリタンは旨いだろうなぁ。
June 03, 2009
ウルトラマンの住む街
「あっ、ウルトラマンだ!」
小田急線祖師ヶ谷大蔵駅に、近頃話題の商店街があります。
その名も『ウルトラマン商店街』。
ウルトラマンの生みの親である円谷プロが長いこと、本社をこの地に置いていたためお願いをし、2005年にその名を語ることを許されたのです。
八百屋、焼き鳥屋、洋品店と昔ながらの個人商店が立ち並ぶ全長1.5kmの名物商店街が、ウルトラマンという強力なコンテンツを得たことになります。
『ウルトラマン商店街』が誕生してからというもの、商店街は徐々にその姿を変え始めました。
祖師ヶ谷大蔵駅に到着すると、ホームでチャイムの代わりに流れるのはウルトラマンのテーマソング。
♪光の星からぼくらのために、来たぞ、我らのウルトラマン♪
バルタン星人を見ると、旧知の親友にあった気持ちにすらなります。
改札を抜けた所に立つ街の案内図にはウルトラマンがあしらわれ、車道と歩道を分ける車止めポールの天面にもウルトラマンが刻まれています。
最近立ち始めたのが、街路灯。
少し変わった形状をしたその街路灯をよくよく眺めると、二つのライトが横長でまるでウルトラマンのように見えます。
そう、それはまさしくウルトラマン街路灯なのです。
ライトを支えるポール(胴体?)には赤い模様が描かれ、ちょうど目の高さには、ウルトラマンの胸に光るボタンライトすらあります。
ボタンの中を覗くと、そこには怪獣と戦うウルトラマンの名シーンが・・・。
子どもの目の高さに合っていないのは気になりますが、なかなかニクイ演出ですね。
ウルトラマンはこの街で永遠に生き続けることでしょう。
やはり、ウルトラマンは永遠のヒーローなのだ!
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
喜ぶ人の顔を想像しながらアイデアを考えてみる。
アイデアの原点は誰もが楽しめるかどうかだ。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
数日前から腰が痛くてたまりません。
一旦座ると、腰がまっすぐ伸びなくなってしまうのです。
まさに『ギックリ腰』の一歩手前。
でも、なんで『ギックリ』なんでしょう。
小さい頃は、『ビックリ腰』だとばかり思っていました。
『グキッ』と音が鳴るように腰を痛める気がするので、『グキッ腰』の方が病状を表している気もしますが。
まぁ、呼びにくいですかね。
『しゃっくり』も実際の音とちょっと違いますね。
『ヒック』じゃ駄目でしょうか。
あぁ、そんなくだらないことを考えていたら、腰が固まって動かなくなってしまいました。
え〜い、このへっぴり腰め。
May 20, 2009
暇潰しに見るアイデア
「面白いけど、買わないよ」
新幹線や飛行機に乗ると、座席の前のポケットに通販カタログを見かけるようになりました。
これ、見ていると馬鹿馬鹿しいけど面白いアイデア商品満載です。
まずは、「叫びの壷」。
大声で叫んでも周囲にはささやき声くらいにしか聞こえない、消音機能付き。ストレス発散やボイストレーニングに良いと書いてあります。大きな声が壷の中の消音材(?)により吸収されるのでしょうか。
ストレス解消やカラオケの練習にと言いますが、自分の顔サイズの壷を口に当てながらカラオケを練習している自分の姿を想像できません。
しかも税込み4,980円!
しかし、「売れてます!」とのコピーもあり、そこそこ売れているのでしょう。
出張先でお客さんに怒鳴られ、頭にきているビジネスマンがターゲットかもしれません。
同じくビジネスマン向けと思われるのが、ボイスレコーダーシリーズ。
USBメモリ型はパソコンにセットできて目立たない。
USBだから電源もパソコンから。
再生・充電も手間要らずです。
セミナーや講演会でパソコンを立ち上げ、メモを取るフリをしながら隠し録りする訳です。
これ、結構ニーズがありそうですね。
シリーズにあるもうひとつの万年筆タイプは、パソコンではなく万年筆で実際にメモを取りながら録音出来ちゃう優れもの。
万年筆本体裏側のボタンを押すだけでONになるようです。
これは絶対にバレそうにありません。
でも、書く音やペンを置く音など、雑音を沢山拾いそうですね。
その他にも、この通販カタログにはアイデア商品がいっぱい。
暇だから、ついついどうでも良いアイデアを読んじゃう。
隣の人と会話が途切れた時も話のネタとなって、より商品知識が深まって行きそうです。
もしかして、一番のアイデアはアイデア商品カタログを長距離便に置くということだったのかもしれません。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
場所と時間によって、受け入れられるアイデアとそうでないアイデアがある。
あなたはアイデアを、適切な場所と時間に伝えているだろうか。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
「臭い!」
中国から帰国する飛行機に乗りしばらく座席に座っていると、突然異様な臭いが漂ってきました。
(この臭いは?・・・浮浪者の臭い?・・・汚れがたまった臭い?・・・足の臭い・)
「足の臭い!」
そう思って後ろを眺めると、カラフルな毛糸で編まれた靴下に包まれた足が、窓と座席の間からひょこんと顔を出し僕のことを眺めています。
「う、うわぁ〜」
周囲の座席が空いていたので、とっさに移動。
移動しながら眺めるとチベット(差別ではありません。そんな雰囲気がしたんです)からやってきたようなお婆さんが皺くちゃの顔で座っていました。
(足を洗わない習慣でもあるのかな?)
と有り得ないことを考えていると、キャビンアテンダントとキレイな日本語で話しています。
日本人だったんですねぇ。
今時、珍しい足の臭さ。
そう思っていたら、そのさらに上手が新幹線にいました。
犯人は、やはり後ろに座った人。
しかし、今回は30代のビジネスマン。
なんで、男って新幹線の中で靴を脱ぎたくなるんでしょうねぇ。
ビール飲んで、口空けて、靴下だけで眠る男性の姿は、チベットではなく、まさしくニッポン男子にしか見えませんでしたけど・・・。
May 12, 2009
視点を変えると・・・
「コレクターはアーティストになれるんだ」
広告とアートは違うものです。
広告には、最終的に商品を売らなくてはならないというミッションがあるからです。
だから、ボクはアートがちょっと苦手。
よく分からないと思っていたんです。
でも、ありました。
「アートって、結構身近なんだ。なるほど、これもアートだ」と思えるものがあったんです。
山形にある鶴岡アートフォーラムで開催されていた展覧会。
その名も「集めることはアートになる!」
アーティストの太田三郎さんは、毎日のように郵便局に出かけることで集めた消印付きの切手をアート作品と発表することで注目を集めた人。消印に残された郵便局名と押印の日時が、彼自身がその日その場所にいた存在の証明になるのだそう。
さらに彼は、集めたものを何でも切手風にデザインすることでアートを作り上げます。
海岸で拾った様々な貝殻をレイアウトした切手シートを見た時に思ったのは、「なるほどねぇ」。
次に見たカラフルな大小のボトルキャップがいっぱいの切手シートは、「へぇ〜、こんなものもアートになるんだ」。
さらに、ぎっしりと並べられたタバコの吸い殻の切手シートを見た時は、「素晴らしい!」のひとこと。
一つひとつではゴミでしかないものが、集めてレイアウトすることでアートになってしまう。
これって、ボクにとってはとても新鮮でした。
太田さんは市民とのワークショップも開催しており、参加者の作品も展示されていました。
中でも印象深かったのは、大きな壁面に張り付けられた洋服たち。
大きなシャツの上に、少し小さなシャツ、その上にもうひと回り小さなシャツ、さらにもっと小さなシャツ、一番上にベビー服といった具合に洋服が重ねて張られているのです。
ズボンも同じ。
少しずつ小さなズボンが重ねて張られている。
説明を見ると、母親が子どもの洋服を捨てずにとっておいて、それを重ねることで成長を確かめているのだとか。
愛情たっぷりのアートですよね。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
難しいと思ったら、視点を変えて見てみよう。
それって、案外カンタンなものかもしれない。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
先日、上の息子を習い事に連れて行ったら、教室の人に「お預かりいたします」と言われました。
英語にすると何でしょう?
"We accepted your son."の訳がない。
"We'll take care of your son well."なんて、仰々し過ぎますね。
なんだか分かんないけど、同じ状況があったとしても、きっとそんなこと言わないでしょう。
そう言えば、ボクが家に帰るとやっと言葉を覚え始めた下の息子がこう言うようになりました。
「お帰りなさい」
これもぴったりくる英語がない。
"Hi!"かな。
まさか"Welcome back home"なんて言わないでしょうし。
でも、ボクが今一番好きな言葉です。
「いらっしゃいませ」もいいですね。
"May I help you?"なんて、いきなり商売に入らずに、とにかく来てくれてありがとうという感謝するという奥ゆかしさが好きです。
なんか、日本語っていいなぁ・・・。
April 28, 2009
何回も見たくなる広告
「もう一回見てみよう!」
久し振りに、広告のアイデアです。
家電メーカーSAMSUNGの、ビデオ機能を持つケータイ電話のバズムービー。
これが見た後、もう1回確認したくなる。
SAMSUNGと言えば、韓国のメーカー。
日本ではまだあまり知られていませんが、アメリカではとてもクールなブランドとして受け入れられています。
2008年にインターブランド社の行った調査によると、SAMSUNGのブランド価値は21位、SONYの25位、Panasonicの78位を上回っています。
さて、ムービーを写している男性をご覧ください。
ボーっと見ていると、「えっ、えっ、え〜」。
このムービーには、CGのような映像への加工は一切されていないと言います。
クオリティの高いバージョンを見たければ、この商品のHPにアクセスしなくてはなりません。
つい先日まで、このYouTubeのムービーに対しては、そのトリックを見破る様々なコメントが寄せられていました。
しかし、コメント機能に制限がかかり、今までのコメントが全て削除されると、今度は、オリジナルのムービーにトリックの解説を被せたムービーがアップする人が出てきます。
(答を知りたくない人は見ないでくださいね。一応、このブログの最後に答を書いときますけど)
人は、圧倒的に面白いか、圧倒的に得することでなければ反応しなくなったと言われます。
沢山のコメントを書き込んだり、暴露ムービーを作ったりする生活者を見ていると、SAMSUNGの広告で使われたトリックは、その圧倒的に楽しいもののひとつに仲間入りできたと言えそうです。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
伝えたいことがあったら、見たい聞きたいことに変換してあげよう。
見たい聞きたいは、さらに伝染していく。
(答)鏡に見えるのは、隣の部屋への扉。
鏡ではありえないミスマッチが沢山見つかります。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
最近のお店って、買い物などで並ぶ時に、あるポイントまで一列に並ばせることが多くなりました。
並んだ順番に空いた窓口に案内されますので、いたって公平。
急いでいても待たされることに納得感があります。
せっかちなボクは、「あぁ、あっちの列に並べば良かった」と思うのが大嫌い。
だから、このシステムが好き。
み〜んな、このシステムになれば良いのにと思うのです。
最近は、駅の公衆トイレまで何だか一列に並んでいたりして、ある意味不気味ですけど。
残念なのはマクドナルド。
どこのお店に行っても、レジ前のスペースが広くない。
だから、自分で列を選ばなくちゃいけません。
きっと、スペースを有効活用しているのでしょうけど。
目の前に家族連れがいる時は、「賭け」です。
ハッピーセット2つとハンバーガーセット2つのシンプルな注文でで、一気に4人の家族全員がいなくなって自分の順番になるか。
それとも迷いに迷って、大量の注文。
渡されるその瞬間に「あっ、やっぱり店内じゃなくってお持ち帰りにしてもらえます」と爆発コメントが飛び出すのか。
待っても、せいぜい1分なんですけどね。
「そんなことでイライラしてないで、時間節約したいなら、もっと他の方法があるだろぉ!」という天の声が聞こえてきそうです。
April 16, 2009
期待を超えたサービス
「得したなぁ〜」
年末年始に一気に書き上げたボクの新著
が発売になりました。
書店で見かけましたら、立ち読みでもしていただけると嬉しいです。
アイデアの出し方著者:ボブ田中
販売元:すばる舎
発売日:2009-04
クチコミを見る
さて、そのアイデアですが、「人に喜んでもらうため」に生み出すものですね。
どんなビジネスであってもアイデアは必要だと思います。
ただ、「人に喜んでもらうため」という視点で考えるのであれば、接客業のような仕事は、とてもダイレクトにアイデアが活かされる場なのかもしれません。
最近、出張する機会が多いのですが、そこで出会った相手を思いやる気持ちから生まれたアイデアを今日はご紹介したいと思います。
まずは、箱根に行った時のこと。
小田急線の箱根湯本駅を降りると、バスに乗って宿に行くことになっていました。
しかし、バス停が複数あってどれに乗ったらいいのか分かりません。
ウロウロしていると、後ろを通りかかったバスが止まり、その運転席から「どこに行くんですか?」と笑顔で尋ねられたのです。
行き先の宿の名前を告げると、「あ〜、それだったら一番か三番のバスだね。だけどそれだけ人数がいるんだったら、タクシーの方が安くて早く着きますよ。」とのアドバイス。
バスの乗車運賃と比較すると確かにその通り。
見ず知らずの場所で、迷っている時にかけられる声はとても嬉しいものです。
山形だって負けていません。
出張の帰り道。
何かお土産でもと駅構内にある専門店外を覗くと、山形名物の玉こんにゃく(丸い形をしたこんにゃくで醤油で煮込んで串に刺したりして食べるもの。和辛子がよく合う)を見つけました。
10個ほどのこんにゃくの入った袋を手に取りお金を差し出すと、楊枝に刺した玉こんにゃくを渡されました。
「もう、火を落としちゃったんですけど、よろしければどうぞ召し上がってください」
まん丸の玉こんにゃく。
息子がほお張る姿を想像して買おうとしていたその瞬間に、不意を付かれた気がしました。
百貨店の試食コーナーで食べようとは思わないのですが、期待すらしていなかった時のサービスは小さなサプライズ。
何だか得した気になります。
もうひとつ山形。
いただいた玉こんにゃくがあまりに美味しかったので、駅のホームにある売店で美味しそうな玉こんにゃくをひと串買うことにしたのです。
しかし、小銭入れからお金を出そうとしたその瞬間、一円玉(らしきもの)が財布の口を飛び越え、床へと向かったのが見えました。
「あ〜っ」と思っている間に、無事に着地。
しかし、着地したのは、食べ残しなどの入ったゴミ箱だったのです。
ゴミ箱の一円を拾うのもなんだなと思い、販売している女性に向かってボクはこう言いました。
「あっ、一円玉ですから、気にしないでください」
でも、別に一円という金額は気にならないのですが、なんか損をした気持ちがします。
すると、その販売の女性はボクにお釣りを渡しながらこう言ったのです。
「落とした一円足しときますね。ゴミ箱から後で拾っておくから大丈夫ですよ〜。ありがとうございました」
ボクはそれを聞いて、とても得した気分になったのです。
失くしてしまった筈の一円が数百倍になって帰ってきた気がしました。
相手の気持ちにストレートに刺さるホスピタリティであり、アイデアだと思います。
JR東日本のみどりの窓口も“人によっては”ホスピタリティ大です。
インターネットで予約したチケットを買い求めに窓口に向かうと、こう言われたのです。
「えきネットでのご予約ですから、指定席発売機をご利用になったほうがお得ですよ〜。係の者に伝えますので、あちらの列にお並びいただけますか」
直ぐに自分の順番が来て、係の方の言うとおりに手続きを進めるとあっという間に発券終了。
しかも安いらしい。
これも思いがけず得した気分です。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
心に残るホスピタリティには、必ずサプライズがある。
それは、別に高価なものである必要はない。
相手が求めている以上のちょっとした何かがあるだけだ。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
新幹線のような長距離列車に乗ると、何故か無性にモノが食べたくなります。
乗り込む前にレストランに入って、暖かい定食や麺類を食べた方がきっと美味しいのに、つい駅弁を買ってしまうのです。
席に着くと、みんな発車するのを待っています。
列車が止まっているうちに駅弁を食べ始めるのは、暗黙のルール違反なんですね。
通(つう)の頼み方もあります。
山形駅を出発する際に、「牛肉どまん中」という超人気弁当を買って乗り込むのはアマチュア。
山形駅を出ると直ぐに車内販売のお姉さんが、「牛肉お弁当の予約を承っております」と声をかけに来てくれるからです。
そこで注文をして、米沢駅で積み込んだ出来立ての「牛肉どまん中」をほお張るのが通なのです。
と言っても、夜になると「牛肉ど真ん中」はやや冷え気味です。
(それなら、我慢せずに山形駅で駆っておけばよかったぁ)と思いつつ、今週も予約をするボクでした。
通を気取るのも楽じゃない・・・
March 31, 2009
勉強すると広告を覚える !?
「このテストはマクドナルドが協賛しています」
テスト用紙の下端に、そんなことが書いてあったとしたらどうしますか?
(おぉ、そう言えば、問題解くのに頭を使い過ぎてお腹が空いたなぁ)となるでしょうか?
それと似たコンセプトの広告が、米国で実際に現れました。
その仕掛け人は、サンディエゴにある高校のトム・ファーバー先生。
きっかけは、サンディエゴ地区の学校に割り当てられる備品関連の予算が大幅に削られると決まったこと。
テスト用紙をコピーするためには1枚につき約3セントがかかります。
これを1年間、多くの生徒に対して配ると、そのコストは500ドル以上になる計算。
しかし、ファーバー先生に与えられた予算は316ドルに過ぎません。
だからと言って、テストを減らす訳にも行かないですよね。
切羽詰った彼は考えます。
(どうしたら、コピー代を捻出できるのだろう・・・。そうだ!)
そこで思いついたのが、最初にご紹介したテスト用紙広告だったという訳です。
小テストは10ドル、中間テストは20ドル、期末テストは30ドルと、テストによって広告の掲載料金まで違うところが正に広告媒体そのもの。
このアイデアが発表されると、タウン誌と地方紙でこの前代未聞の広告を取り上げます。
その結果、3日間で75通のeメールが集まり、総額350ドルの申し込みがあったと言います。
「教育の場に広告が入っていいのか」という議論は当然あったようです。しかし、広告主の3分の2は両親による激励のメッセージ。
残りの3分の1は地元企業からで、そのメッセージも生徒たちを励ますものだったとか。
基準さえしっかり持っていれば、こういう展開もあるのかなぁ、と思いますね。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
アイデアに行き詰ったら、あり得ないモノと組み合わせてみよう。
あり得ないと思っているのは、自分の中の既成概念に過ぎないことが多いものだ。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
あなたは、出張した時にオフィスの仲間たちにお土産を買って帰る人ですか?
ボクは、気が向いたら時間があったら買うくらいのアバウトな性質(タチ)なのですが、お土産って、買って帰る人のセンスが出ますね。
女性のお土産のセンスにはいつも感心します。
「美味しい」「見た目が可愛い」「食べやすい」が揃ってる。
それに比べて男のお土産は何だか冴えません。
ボクは、新幹線を使う場合、その駅売店で探すのですが、何を買ったらいいのかさっぱり分かりません。
散々迷った挙句に買うのは、ご当地ポッキーだったり、個装されたお菓子がいっぱい入っているものだったり。
共通点をよ〜く考えると、箱が大きくて見栄えがすること。
女性がお土産を選ぶ観点を、これっぽっちも持ち合わせていないことに気が付きます。
決して美味しくない訳ではありませんが、そこには愛がないんですね。
先日、中国出張した際に家へのお土産として買った「金貨ハム」と「干し海老」は見事に外しました。
食材としてたま〜に使われることもありますが、いまだに食品棚の中にでんと居座っています。
挙句の果てに「もう、お土産は何も買って来なくてイイから」と言われる始末。
「ボクが帰ってくることが最高のお土産だよね」なんて言ったら、「そのお土産が一番要らない」と返されそうで、怖くて言い出せません・・・。
March 17, 2009
普通のジャケットじゃない
「これからの日本に必要かも」
先日、汐留めにあるアドミュージアム東京で開催された「D&AD賞2008展」へ行って来ました。
D&ADとは、カンヌと並び世界中のクリエーターが憧れる賞。
広告等の優れたクリエーティブに贈られ、「イエローペンシル」と呼ばれるその賞は、獲得することが世界で最も難関であるとして有名です。
アドミュージアムには選び抜かれた多くの作品が展示されていましたが、ボクが面白いと思ったのは"15Below Jacket"。
カナダのTAXIというデザイン会社がクリスマスプロジェクトを立ち上げ、ホームレス用にジャケットを作ったのです。
雨風をしのぐレインコートとして使用できるそのジャケットは、中に新聞紙を詰めると防寒コートに早変わり。食肉用の冷凍庫で事前にテストをされ、マイナス18度で8時間15分。
マイナス30度でも45分間耐えられることを実証したそうです。
着ていない時には、枕にもなると言うこのジャケット。
詰め物がないためコストも当然安い。
カナダの冬はマイナス15度になると言われます。
3,000着のジャケットは、クリスマスプレゼントとしてホームレスに配られたそうです。
人の役に立つアイデア。
いいですね。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
アイデアは無限大。
身近にある問題に活かせないか考えてみる価値はある。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
先日、大阪に出張した際のこと。
地下鉄の駅のホームに立っていると、女性のアナウンスが聞こえてきました。
「春の火災予防運動週間です。火の元には十分気を付け・・・」
いや、確かにそうなんです。
なんですけど、地下鉄の駅ホームでアナウンスしなくたって。
火と何の関係もないそんな場所で聞かされてもねぇ。
思わずくすりと笑うと、隣に立っていたいかにも大阪風オバちゃんに怪訝な顔をされました。
そんなことを思いながら電車に乗り込んだら、車内アナウンスまで気になってきました。
「間もなく駅に到着します。電車とホームの間に広く開いているところがあります。足元にご注意ください」
駅に着くたびに、同じことを繰り返してるんですねぇ。
これ逆効果かも。
完全にBGMというか、騒音と化してます。
そのアナウンスが妙に甲高い男性の声なのもなんか不思議。
個人的には、ヨーロッパやアジアの地下鉄のように何も言わないか、言ったとしても駅名だけぼそりと言う方が好きですが。
その内、「選挙に行きましょう」とか「食料自給率アップにご協力ください」とか、言っちゃったりするかも・・・
March 03, 2009
国も変われば
「こんな所に広告が・・・」
ところ変われば広告も変わるものです。
中国は、かつて社会主義だった(いや、今もそうなのですが)とは思えないほど街中に広告があふれています。
恐らく、中国に出張したことのある日本人なら誰もが気付く広告があります。それは、都心にあるオフィスピルのエレベーターホールやエレベーター内の壁面にある液晶ディスプレイ。
そこから動画広告が流れてくるんですね。
確かに、エレベーターを待っている間は手持ち無沙汰。
お客さんをエレベーターホールでお見送りしようとした時、エレベーターがなかなか来なくて会話に困ったなんて経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
エレベーターに乗っている間だって、大体みんな無口。
ビジネスの話をすると機密の問題がありますし、かといってくだらない冗談を言ってみんなに聞かれるのも恥ずかしいですしね。
そのエレベーターを取り巻く一瞬の隙間時間を、このメディアはうまくとらえた訳です。
スーパーのレジで並んでいる時に、レジ横に陳列されたガムや乾電池をついで買いしてしまいますが、それに近いコンセプトかもしれません。
このメディアを、中国でほぼ独占的に展開しているのがフォーカスメディア(分衆伝媒)という会社。
2003年に設立されたばかりの比較的新しい会社です。
しかし創立以降、毎年数百パーセントの業績の伸びを記録し、ニューヨークのナスダックで株式公開まで果たしたという驚くべき会社。
このメディアがここまで発展したのには、中国ならではの事情があるようです。
高度経済成長が今も続く中国では、テレビなどの広告費は急騰を続け決して安くはない。
しかし、テレビ広告を流すほどの高額商品を買える層はまだ限られているのです。
実際、5万円以上の月収を得ている層は、都市部でも20%程度にとどまると言われます。
であるならば、その層の接点で直接アプローチするメディアが欲しくなります。
そこでオフィスピル内の公共スペースのメディアに目が向いたのです。
上海や北京などにある小奇麗なオフィスビルで働くのは、『小資』と呼ばれる小金持ち。
当然、購買力が違うのです。
日本のような社会では、オフィスビル自体特殊なものではありませんし、そこで働く人も千差万別。
ターゲットの絞り込みなどできませんが、中国ならそれが出来るんですね。
ところ変われば、広告も変わるのですね。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
どんなに素晴らしいアイデアも見てもらってナンボ。
ターゲットがどこにいるのか、どこだったら見てくれるのか常に忘れないようにしよう。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
最近、電車に乗ると白いマスクがやたらと目に付きます。
勿論、花粉症対策なのでしょうが、5人に1人の割合でマスクを見かけると、ちょっと気持ち悪い。
何にも知らない外国人が、花粉症のこの時期に東京の街に放り出されたら、危険なウィルスが街に蔓延しているのかと驚くかも。
ボクは眼鏡が曇るので、ずっとマスクをしたことがありませんでしたが、『眼鏡が曇らないマスク』というのがあるんですねぇ。
(でも、しませんけど。)
その他にも、眼の洗浄液とか、点鼻薬とか、花粉症市場は大変なことになってます。
花粉と聞くと、ボクはミツバチを思い出してしまうのですが、なんだか可愛らしい。
だからこそ、余計にタチが悪いのかもしれません。
まず、花粉は見えない。
そして、歩いているだけで人体に入り込む。
これは、完全に空気感染ウィルスみたいなもんですね。
いっそのこと、病粉症、悪粉症とか、死粉症に改名するってのはどうでしょう。
ほら、花粉症が怖くなってきたでしょ。
February 24, 2009
アイデアとは組み合わせそのものである
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
以前もお話しした気がしますが、ジェームス・W・ヤングの名著『アイデアのつくり方』で語られている有名な言葉です。
何にもない所に、いきなりアイデアが産まれ出たりはしないということですね。
ソニーの大ヒット商品ウォークマンは、その既存の要素の組み合わせで生まれた革新的な商品の代表格でしょう。
ボクは、ウォークマンにある組み合わせとは、「カセットテープレコーダー」と「携帯性、つまり外に持ち出すということ」だとずっーと思っていました。
ところが、ちょっと違っていたみたい。
今日は、その素敵な組み合わせの紹介です。
初代ウォークマンの歴史は、1978年にさかのぼります。
当時ソニーは、携帯用ステレオテープレコーダーを開発しようとしていましたが、商品化することが出来ずにいました。それまでのテープレコーダーと言えば、録音機能とスピーカーが付いていることが常識。
家庭内で英会話のテープを聞いたり、エアチェックと言ってFMラジオから流れる音楽を録音して聞いたりすることに使われていたのです。
しかし、本体がやたらと大きかった。
ソニーは、その録音とスピーカーという2つの機能を、何とか携帯サイズで実現させようとしていたのです。
しかし、失敗ばかりに終わっていました。
その頃、社内の別プロジェクトでは、小型軽量の携帯用ヘッドホンを開発中でした。
この2つの開発途中の商品を見た当時名誉会長だった井深大氏は、こう考えたと言われます。
「録音もできないし音も出せないテープレコーダーと、携帯用ヘッドホン。この2つを組み合わせたらどうなるだろうか?」
ここに全く新しい娯楽のコンセプトが生まれ、全く新しいポータブル音楽プレイヤーが誕生することになるのです。
ソニーは製品発売の日、記者を東京の代々木公園に招待しました。
そこで記者が出会ったのは、ローラースケートを履いたティーンエイジャーが、ウォークマンで踊りながら取り巻き出迎えるというサプライズの演出でした。
この常識破りな記者発表もあって、様々なメディアが翌日からウォークマンを紹介します。
ソニーが当初狙ったのは若者そのものだったようですが、ウォークマンに飛び付いたのは、実は少し上の裕福な世代だったようです。
彼らは、音楽を録音済みのテープを大量に所持しており、それを聞く時間と場所を広げたいと思っていたからです。
屋外で個人的に音楽を楽しむというライフスタイルは瞬く間に彼らの間に広まり、やがて若者にも文化として定着することになります。
その後ウォークマンが、ポータブル音楽プレイヤーとして不動のポジションを獲得することになったのはご存じのとおりです。
メールマガジンで読みたい方はこちらへ
⇒http://www.mag2.com/m/0000252362.html
◆アイデアを生むヒント
既存の要素を組み合わせるという原点に立ち返ろう。
組み合わせる要素は、新聞にも、電車の中にも、会話の中にだってある。
-----------------------------------------------------------------------------
◆編集後記
最近、カラッと良く晴れた日が続きますねぇ。
朝、地下鉄の駅から出ようとすると、ちょうど朝陽が目に入ってきて眩しくて仕方がありません。
思わず「ハクション」とクシャミをしてしまうのです。
ボクは、太陽など眩しいものを見ると、クシャミがしたくなります。
家の中で鼻がムズムズする時は、ちょっと強い照明の光源を見てみます。
すると間違いなく「ハクション」。
これを見て、妻も子供たちも怪訝な顔をするだけでなく、ひとこと。
「バッカじゃないの」
確かに、電球を見てクシャミをしている姿はバカっぽい。
ところが、この眩しいとクシャミをしたくなるのは、日本人の25%しかいないらしいんです。
そう、選ばれた(?)4人に1人なのです。
これは日本人だけに起こるものではないようで、achooシンドロームという立派な名前まであるのだから驚きです。
"achoo(アチュー)"とは、英語の「ハクション」。
念のため、音声機能付きの英語電子辞書で聞いてみたけど、やっぱり「アチュー」。
「アチュー」なんて、ブルース・リーの雄叫びみたいじゃないですか。
ちょっと格好いいぞ。
そんなことを思いながら、頭上の蛍光灯が目に入ったら、また鼻がムズムズ。
「ハ、ハ、ハクション」

